*四 [#b039593f]

 一九三八年になった。

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 漢人の数は膨大だ。昨年降伏した漢人を十数個師団は坑したが、いまだ中国軍は露蒙連合軍の三倍は軍を保有しているだろう。だが苦戦した戦いでも蒙古兵一人が銃弾に斃れる前に漢人を四人は斬伏せている。

逃げる漢人を追立て、反撃がきたら一度引き足並乱したところを襲崩す。そしてまた追立てる。前線にいる者に安息は与えない。朝だろうが夜だろうが追い回す。山に隠れようが河を渡ろうが追駆ける。

そうしていたら想定よりも占領地が増えてしまった。蒙古軍が追散らして空いた土地を露西亜軍が押さえた為だ。漢人を殺せればそれでよかったのだが湖北の工業地帯を手にできたのは嬉しい誤算と言える。

日本は広西側からも侵攻を始めた。三方からの攻勢によって三月に国民党政府は瓦解した。南京から重慶に政府を遷し抗戦の構えを見せたときは共和主義者にしては気概のある輩と思ったが、その重慶が戦場になる前に諦めるとは情けない。

一刻も早く国民党員を見つけだし、日本軍に身柄を抑えられる前におれの手で一人でも多く馘り弱者としての生を終わらせてやらねばならない。それが彼等の為になる。

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 戦争を継いだ雲南軍閥は護国軍と名を変え抵抗を続けた。指導者となった蔡鍔は蒋介石とは違い強者であった。重慶、成都、昆明を失えども降伏しない。三十師団程埋めても反撃に出る。

おれは試にRomanov家に忠誠を誓い蒙古の幕下に加わると言うなら和平を認め、日本との交渉にも協力すると使者を送った。蔡鍔は丁重な礼とともに拒絶した。受け入れるか送った部下が首だけで帰るかのどちらだろうと思っていたから驚いた。

断られたのだから漢人の共和国の息の根を止める為に雲南省の奥地に兵を送る。道も険しかったが最後の最後まで抵抗が続き、年の瀬までかかった。蔡鍔は蒙古兵を何人か撃ち殺すと自裁したと言う。

計画が狂った。生捕りにして日本との緩衝地として長江以南を任せようとしたのだ。目の前で捕虜にした漢人を三四十人火炙りにすれば受け入れると思って用意していたが仕方ない。直ちに斬首しよう。

中国統治案が白紙となり苛立ちを感じていると、潜伏していた蒋介石他数人の旧国民党幹部を捕えたと報告があった。今は弱者の顔を見たくはない。部下に適当に拷問させて適当に殺させよう。

いや、生かしておけば何か活きるときがあるかもしれない。部下に適当に拷問してRomanov家の尊さと革命の卑さを叩込むよう指示した。

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 最後に残った共産主義者の漢人を鏖そうとしたが、Europeの情勢が変わりそれどころではなくなった。

鉄衛団と名乗るルーマニアの全体主義者共がBalkan諸国に攻め込んだ。Slav民族の盟主である露西亜皇帝の許しなくBalkan半島で戦争をするなど不届き千万であるが奴等は狂っているのだ。

王も皇帝もいない民族主義なんて悍ましい事この上ない。さらに奴等の組織は嘗て大天使Michael軍団と言ったらしい。これも気味が悪くて顔を顰めてしまう。平民に神はいない。奴等に神と天子の守護がある訳がないのだ。

そんな事も理解できずに戦争を起こすとはどんな頭をしているのか、想像するだけで胸糞悪さに吐気がする。

狂人共が希臘にも宣戦布告したことで連合国は重い腰を上げたが、何故かそれに伊太利が反応し連合国に宣戦布告した。仏蘭西軍は早早と北伊太利を支配すると今度は独逸が連合国に宣戦布告した。そして最後にSovietが独逸と波蘭に宣戦布告をした。
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 今Europeは再び大戦下となった。低地諸国は先んじて連合に加盟したが仏蘭西と共に独逸に轢潰された。英吉利は慌てて羅馬尼亜と和平を結んだが、阿弗利加に逃れた仏蘭西軍の一派が連合に再び加盟すると羅馬尼亜に宣戦布告した。

希臘は枢軸に加盟し、羅馬尼亜は英独共に敵となった。伊太利はMussoliniが失脚したが連合国との戦争を持続させ仏蘭西本国の降伏によって領土を取り戻したが枢軸には加盟していない。
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 露西亜政府はKielで独逸と同盟交渉をしたがUral以西を独逸領に求める独逸の傍若無人極まりない要求で破断した。我我は今蚊帳の外にいる。
 露西亜政府はKielで独逸と同盟交渉をしたがUral以西を独逸領に求める独逸の傍若無人極まりない要求で破談した。我我は今蚊帳の外にいる。

やはり独逸と手を結ぶのか、それとも日本と手を結ぶのか、Anastasia陛下がどのような御決断をされるか分からないが、何をされるとしても臣下として全うしなければならない。

おれは全軍に蒙古帰還を命じると馬を駆って北へ急いだ。支配地を十字軍の為の安全な策源地にしなければならない。

TIME:"2019-05-27 (月) 17:40:14"

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