納得できない国際関係と納得できない最後の冒険

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エンヴェル・パシャは納得できなかった。

開戦から1年程でベネズエラと白紙和平が結ばれた。

オスマントルコはこの不可解な宣戦を訝しむ。

両国は領土を接していないどころか存在する大陸からして違う。

大西洋に隔てられ一度の海戦も一度の空爆も無かった。

ただ一度の戦闘も無かった。

それでもベネズエラは開戦に踏み出したのだ。

この紛争からオスマントルコは自国の外交を危ぶむ。

帝国に友好国と呼べる国家は存在しない。

保護国アルメニアはソビエトに呑まれた。

良好な関係であったアメリカ連合国は合衆国の逆襲で滅びた。

最大の貿易相手ロシアは日本の属国同然である。

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また英独どちらか旗色を鮮明にしない大国もオスマントルコのみだ。

日伊は枢軸国ではないが連合国と戦争中である。

中立国の地位を利用して世界を荒らすならず者国家。

世界大戦が終結したら、大戦の勝者はこの火事場泥棒をどう扱うだろう。

エンヴェルは湧き出した外交への懸念に納得できなかった。

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オスマントルコは国際的に孤立している。

だがそれは同盟を拒否した連合と枢軸に非がある。

相次いだ戦争も帝国存続の為、民族自立の為である。

戦後に何が起きようとも揺るがぬ国家を築くには更なる対外進出が必要だ。

先のテュルク解放戦争は枢軸に利した。

次は連合に得を与え調和を取ろう。

ウィーンに進軍だ。

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1944年2月3日、ドイツとの戦端まで開かれない事を入念に確認した上での対墺宣戦布告。

バルカンに孤立していた敵軍は長年の物資欠乏により鎧袖一触であった。

それどころかオーストリア本国の敵軍も発見したと思いきや直ぐに姿を消す。

何か罠があると警戒し慎重な進軍が行われた。

リュブリャナ、ブダペスト、ウィーンのすべてが無血開城する。

最後の重要拠点となったプラハを戦闘無く占領するとオーストリア軍は雪崩を打って投降した。

オスマントルコの諸将は不気味に思い早々にオーストリアを独立させて手を引くべきと言う。

エンヴェルは皆が尻込みしている事に納得できなかった。

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オーストリア軍が敵前逃亡を繰り返した挙句まともな戦闘無くして降伏したのは何故か。

それだけハプスブルク家の支配に人民が辟易していたに違いない。

我らは諸民族の解放者として憚る事なく誇るべきである。

またオーストリア軍が我らを恐れていた証左でもある。

帝国の念願であるウィーン占領を叶えた今、次は宿願であるローマ占領を目指す。

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1944年4月5日、オスマントルコはイタリアに宣戦。

その翌日に再びベネズエラから宣戦された。

イタリア本土には20個師団が専守防衛で置かれ、まずイタリアが占領した英領エジプトに攻め込んだ。

ヌビア砂漠でイギリス軍と戦っていたイタリア軍は背後を突かれ補給を断たれた。

歩兵師団がエジプト占領に南下し、戦車軍団はリビアへ西進する。

アルジェリア側に軍を配置し忘れたのでイタリア軍にチュニジアを占領されていたのだ。

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エジプト全土の占領に成功すると傀儡政権を建ててイギリスから掻っ攫う。

リビアとドデカネス諸島も占領し、エンヴェルは満を持してローマ進軍を命令する。

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エンヴェル・パシャは納得できなかった。


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Last-modified: 2020-02-14 (金) 22:36:31 (12d)