一九四十年になった。

j1AXpgx.png

 露西亜政府はWrangelが新たな総裁となっていた。Kolchakよりかは遥かに増であるが、これから度度Wrangelの陰気臭い顔を見る事になると思うと憂鬱だった。

おれはWrangelの容貌に滲表れる陰湿な性根が嫌いだ。遠戚になるがとても血が繋がっていると思いたくない。密偵からの報告では近頃Moscowでは奴を白衛軍の黒男爵、おれを黒衛軍の白男爵と呼んでいると言う。

黒男爵と言う綽名は陰鬱なWrangelに似合い手を叩いて笑ったが、おれが奴に並ばさせられるのは不愉快だ。黒衛軍と言う名も気に入らない。洪牙利の傭兵軍から取ってきたのか知らないが、黒と言う色がanarchistのMakhnoを思い起こす。

哈拉哈河で日本軍に身の程を理解さえて、満洲の一部を割譲させ不可侵条約を結んだ。新設した治安部隊を中国各地に配置して支配も確立した。Moscowに攻め入り口性無い輩の舌を切ろう。Anastasia陛下の言葉を今か今かと待った。

tuaTCK9.png


rTyWXe8.png

 八月遂に共産主義者共に裁きを下すときが来た。露西亜の宣戦布告に気焔をあげたがすぐ後に伊太利が水を差したので機会があったら数人吊るそう。

蒙古軍は国境の賊軍共を殺しはするが進軍はしない。中央亜細亜草原は露西亜帝国の物であるからだ。だがロシア軍の進軍速度を見誤った。非道く遅い。遅いだけならまだしも蒙古領から侵入しようと試みる輩がいた。

露西亜支配地に隣接しないprovinceに蒙古領から進出するからかそこを一時的とは言え蒙古支配地にしようとするから驚いた。おれを不忠者に仕立てようと言う事か。銃で脅して露西亜に引き返させたが何度も蒙古に来る。

国境の賊徒を殺す。蛞蝓が如き歩の露西亜軍を援護する。蒙古に配置された露西亜軍に銃弾を浴びせて追返す。露西亜支配地が中央亜細亜に延びたときには一年が経過していた。

Europeでは連合に加盟した西班牙のFranco政権が独逸に滅ぼされた。羅馬尼亜の狂人共も同じだ。君主無き全体主義に神の加護は無い。波蘭は枢軸に加盟した。

枢軸国はMoscow近郊まで寄せたがNapoleonと同じくこの辺りで泥沼に嵌るだろう。独逸との同盟を拒否したのだからUral山脈の向こう側を陛下に献上せねばならない。

Dyx5pf9.png

JHee0fU.png


Bxp5l1T.png

FeEJzMS.pngfzwEQZf.png

 亜米利加はLendlease法を制定しSovietに軍事支援を行っている。おれはこれを止める為に旭烈兀作戦を発動した。補給路はPersia回廊と呼ばれ、枢軸に加盟しSovietに滅ぼされたPersiaの港湾から亜米利加製の兵器が届けられている。

東TurkestanとAfghanistanに宣戦布告し両国を疾風迅雷の速さで併合した。蒙古軍は強襲によってTehranを占拠したがSovietもこの地の重要性から雲霞の如く赤軍が押し寄せた為肝心のPersiaの港湾と輸送路を抑えることに失敗してしまった。

だがこれで他方面の敵が減り、露西亜北部で歩兵軍団を率いていたSemyonovがArkhangelskの奪還に成功したと伝達してきた。おれは起死回生の一手としてSemyonovの歩兵軍等にMoscow強襲を命令した。

Moscowに攻め込むことには成功したが、赤軍が続続と集結し攻撃は失敗する。しかし今度はMoscowを除く多方面が手薄になり蒙古軍はPersiaを完全に占領した。

pE0dl1X.png

RoHHSqY.png


gr0wn2s.png

 Moscowの赤軍が反攻にでるとおれはこれがMoscow奪還の最後の好機であると思い、Kavkazの残党処理を部下に任せて直属の騎兵軍をMoscow近郊に待機させたSemyonov軍と合流させ攻撃を開始した。

一度Moscowに集結した赤軍も反攻によって分散しており、司令官もStalinの腰巾着Voroshilovであった。おれは全軍にただ懸かれ懸かれと命令し、右手に剣左手に拳銃を握り歯には手綱を銜えて前線に乗入った。

急拵えのbarricadeの向こう側から機関銃の銃口がおれを見ていた。まるで恐怖を感じない。あれは本当に兵器なのか。耳障りな音を終わらせる為barricadeを越えて射手の首を掻捌いた。

Moscowの中心に近付Kremlinの尖塔を視界に捉えた。あの頂点に立つ憎憎しい星を砕かなければと思っていると丸い影が飛び込んだ。手榴弾だった。

地面に転がり落ちた。おれは無傷だったが馬が遣られた。無数の小銃がおれを狙っているのが分かる。だがやはり死ぬとは思わない。

おれの落馬を察した配下の騎兵が集まり戦闘を始めてしまった。戦いの最中で馬を徴収することはできない。仕方なく徒で進む。

敵の脳漿を散らせ、首を刎ね飛ばしていたら勝鬨が上がった。大宮殿にsoyomboが描かれた蒙古の旗、その上に栄えある双頭の鷲の三色旗が掲げられた。勝ったのだ。

KPryKzQ.png

 一九四三年八月二九日。狂人の戯言に踊った逆徒の乱痴気騒は蒙古の強靭な馬蹄が象徴である赤い星と共に砕いた。

Ga8J8Dc.png


トップ   編集 凍結 差分 バックアップ 添付 複製 名前変更 リロード   新規 一覧 単語検索 最終更新   ヘルプ   最終更新のRSS
Last-modified: 2019-05-30 (木) 22:15:10 (87d)