【Kaiserreich上清天国】燃える紫禁城

 

神の名において鋳造す

 
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カーン!
カーン!
カーン!
 
蒸し暑い部屋の中で、男たちが仕事をしている。
 
真っ赤に燃える鉄を打ち付け、それを研ぎ澄ましていく。
 
それを見つめるのは、上清天国を代表する二人の政治家。
 
 
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なあ、周。
 
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なんだね?
 
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私達は確か……兵器製造所の確認をしてこいと言われてきたんだったな?
 
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その通りだが?
 
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なあ……周。
 
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勿体ぶらずに言うがいいさ。
 
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私の目が確かなら、これは剣を作っているように見える。
 
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ふむ……そうだな。その目が間違っているとは思えんね
 
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……正気か?
 
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無論。
銃はある。
あるにはある……けれども心許ない。
そしてそれは相手もさして変わらない。
ならば、近接戦の準備をするのもまた道理であろう。
 
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この様子をどう報告しろと言うのだ?
近代国家の真面目な軍備とはとても思えんが……
 
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そうだな。我が国が今、近代国家としてしっかりと成立した状態にあるのであれば、それも確かにそうだ。
……だが、。
見ろ。これが今の我々と、我々の大陸の実態だ。
 
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師尊はこれを知っているのか。本当に剣で戦うつもりなのか?
 
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剣だけではない……例えばこれ
 
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……連弩だな。
 
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こういうものもある。
 
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火箭か?
 
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分かっている。言いたいことは概ね理解している。言わなくでいい。
だが、実際にこれらは我々の住む世界では未だに有効だ。
形式ばって戦争に負けても意味がない。
「白い猫でも黒い猫でも鼠を捕るのが良い猫だ」
 
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……ああ、その通りだよ。周
 
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私はね……。
千里先に居る私自身が、この時のことを笑って語らうことのできる日が来ると、信じているのだよ。
 
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カーン!
カーン!
カーン!
 
そうして二人は、打たれた剣が冷やされてその鋭さを見せる瞬間まで、じっと刀鍛冶を見つめ続けていた。
 
 

開戦に至るまでの前準備

 
上清天国の官僚と軍人たちは、清国との開戦に至るまでに涙ぐましい努力を続けてきた。
 
まず、国内に僅かながら存在していた富裕層への『自主的浄財』を求めた。
 
そうして得た資金を元手に、大規模な公共事業を実行。
 
また、その資金を元手に、他国から戦車を購入し、部隊として編成した。
 
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車両はフランス・コミューン政府から購入した第一次世界大戦期の車両であるが、それでも十分に効果を発揮*1した。
 
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周恩来と彼が率いる工作部隊は清国内に浸透しており、上清天国が『王道十字軍』を決行する際には、その侵攻に合わせて決起する約束をしている。
 
『至福千年運動軍』内部においても改革が行われた。
 
既存の防御的な軍団運用ではなく、フランス・コミューンにおいて提唱する軍人が現れた『電撃戦理論』を元に、千年運動軍上級士官である朱徳によって編み上げられた新しい軍事ドクトリンが導入されている。
 
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そうした倹しい様々な施策によって『至福千年運動軍』は総勢四十個師団を越える軍勢となった。
 
 
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けれども、その内実と言えば質の面で清国に大幅に遅れを取るものであり、それは銃器から、果ては指揮官にも及び、清国は僅かながらに空軍を有し、また海軍についても小国としては十分な兵装を持ち合わせていた。
 
 

亡霊対亡霊

 
 
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これはいわば、亡霊と亡霊の戦いである。
今や遠き大清の幻想を追いかけながら、その虹色の夢をドイツ人たちに食い物にされている国家と、妄執に取り憑かれた皇帝。
 
 
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『既に失敗したはずである』太平天国の乱を霊的に継承するとかたる、師尊によって形作られたはりぼての理想郷。
 
 
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それでも、かの大陸の雌雄を決する瞬間は訪れる。
これがたとえ、かの大陸の人々にとって最悪と最悪のどちらかを選ばされるものであったとしても。
戦いは行われ、歴史は前へと進んでいく。
 
時計の針は戻らない。
 
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時計の針は、必ず時計回りに進んでいくのだ。
ここが世界の一部である以上、その鉄則は変わらない。
……我々は、それを証明しなければならない。
 
 

1937年の戦い

 
先に動いたのは『至福千年運動軍』であった。
 
呼和浩特、南陽を占領した上清天国は、蜂起を開始した現地民と合流。
その後、南陽は清国の反撃によって奪回されるが、蜂起部隊は無事に『至福千年運動軍』へと合流した。
 
 
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戦線は押し上げられては引っ込んでを繰り返す。
しかし『至福千年運動軍』の損害と、清国軍の損害は必ずしも同価値であるとは限らないのである。
 
 

幻視

 
清国軍には、ドイツから送られてきた装備だけではなく、それを運用するための下士官も同様にこの東洋の僻地へと送り込まれている。
彼らは最初、清国の実態を見てそれを嘲笑ったが、上清天国の装備を見て、今度は絶句した。
 
彼らから見れば、上清天国の装備など『とても兵装とは言えない代物』だったからである。
 
 
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そしてさらに驚愕したのは、火力で圧倒しているはずの彼らが、この兵未満の山賊集団を相手に酷く、苦戦しているという事実であった。
 
 
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彼らは異様な軍隊であった。
銃も満足に持てず、剣や弓や粗製のロケット兵器を手に持ち、場合によっては農機具を持って戦いに挑むこの間抜けな軍隊を、我々は倒し切れないでいる。
 
彼らは、我々が進めば退き、我々が休めば撹乱し、我々が疲れれば攻撃をし、我々が退けば彼らは進んでくるのである。
 
確実に敵を葬っている……そのはずであるのに、陣地を奪回するには我々にも相応の損害が生じるのだ。
 
 
この大陸では、我々の常識が通用しないのである。
 
 
後にこの大陸から撤退したドイツ人たちは、かの大陸の歴史を調べ上げ、そうして気が付くのである。
 
『至福千年運動軍』とはもはや人ではなく、かの大陸の歴史が生み出した一つの潮目なのであり、自分たちは人でもなければ兵でもない、かの大陸に存在する"概念"と戦っていたということに。
 
彼らは『至福千年運動軍』から、かの大陸に産み落とされては消えるのを繰返してきた農民反乱集団の姿を幻視したのである。
 
 
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*1 これらの車両にはそれぞれ愛称がつけられ、とくに大陸統一までの戦闘で生き残った功臣号が有名である

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Last-modified: 2020-06-03 (水) 21:19:53 (43d)