広義国防国家への道

名無し2.pngある男の日記

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 昭和11年2月26日未明、麻布連隊の青年将校の一部が中心となり、下士卒数百名を率いて反乱を起こし、首相官邸を始め永田町、霞ヶ関の諸官庁を襲撃占領し、又大臣の官私邸に乱入して暗殺*1を行った。
余は兼々強く明るい政治が行われるようなことを期待していたが、これに反して近年の政治は優柔不断そのものであり、ついにここに至ったのは誠に遺憾ながら至極当然の帰結と言えなくもない。

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 29日の午後には、兵士たちが帰順したことで、首領株もなすすべなくして沈静に帰した。
今時の事変において、今まで逆徒から目の敵にされていた財閥や政党の大物が遭難を免れたことはいささか奇妙な現象である。
所謂呑舟の魚輩が事変後の工作にこれを利用せんとしているのではないかとも想像されるのである。

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 3月9日、組閣の大命が広田外相に下った。
同氏は組閣に際して、陸軍大臣の椅子と数名の閣僚について、過去の軍部の意向を鑑みて悶着があったようでありその組閣の技術よりすれば誠に不手際なるも、
軍部に尚、反勢力の存在を示したることは誠に人意を強くするものである。*2

 

賀屋興宣.png広田内閣入閣のいきさつ_賀屋興宣*3の回想

 私が広田内閣で大蔵大臣というたいそうな役職を引き受けることにしたのはほかでもなく、広田氏直々のお誘いがあってのことでした。
そもそも今回の事変によって陸軍の影響力はよりいっそう増大するであろう事は周知の事実であって、広田氏に勅命が下ったのも氏のソ連大使の経歴を評価された上でのものだと言うことを聞いていました。
しかし一方で陸軍に対する懐柔と言いますか、妥協もしなければならないのであり、その均衡を調整するという非常に責任の重い仕事を広田氏が半ば押しつけに近い形で任されたことに、私はある種の同情をしていたのです。
そういうわけでありますから、広田氏が目下の財政問題を深刻化させない範囲で一定の軍拡を推進するための経済体制を構築するために大蔵大臣をやってくれと頭を下げに来たときには、断ることができなかったのであります。

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広田弘毅.png昭和11年3月10日の閣議_広田弘毅の回想

 私は外務省に長くいた者ですから、外交については人よりも多少知識はあるかもしれませんが、ほかのことについては全くの素人でした。
しかし首相という立場上、国内外の様々な問題について大枠の理解をしていなくてはなりませんでした。
ですからあの日の閣議では、閣僚の方々に事前に報告書を用意していただいて、それを踏まえつつ、今後の政策について議論したのです。
初めに提出されたのは潮内務大臣の報告書でした。次に町田情報大臣の、そして寺内陸軍大臣*4と永野海軍大臣*5の報告書が提出されました。

報告書

(1)各国国力比較
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(2)諜報
・ソ連
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・支那
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・米国
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(3)三軍の規模
・陸軍

司令歩兵騎兵自動機械軽戦戦車空挺海兵山岳守備民兵合計
日本218500100500536
満州068000000012641

・海軍

空母軽空母戦艦巡戦重巡軽巡駆逐*6潜水重潜輸送合計
226414173822620131

・空軍

戦闘機迎撃機近接機戦略機戦術機海爆機輸送機飛行爆弾ロケット合計
0300100004
 
 

審議

・陸軍について…決定的に戦力が不足していると考えられました。志那兵の練度不足、ソ連軍の配置等を考慮しても
この程度の兵力では、我が国の権益たる満州国の安全保障が確立されないと考えられました。
・海軍について…米国の艦隊の規模が正確に把握できていなかった点、軍縮条約が効力を持っていた点から大きく取り上げられることはありませんでした。
・空軍について…陸軍と同じく、戦力が不足していると考えられましたが志那に対しては優勢であり、陸軍の問題と比較すると
そこまで深刻だとは考えられませんでした。
・国内産業について…鉄資源を十分に自給できていない点、他の列強と比較して基礎工業力が不足している点が問題だと考えられました。

 
 

政策決定

概論…満蒙及び華北の政情を陸軍の増強によって安定化させ、産業基盤を整備することが確認されました。

陸軍について…新規に12個師団を増設することが決定しました。
海軍について…空母「蒼龍」、潜水艦用の魚雷の建造が決定しました。一方でそれ以外の新規艦艇の建造計画の中止と旧式艦艇の護衛艦への変換が決定しました。
空軍について…新規に5つの迎撃機による航空団の建造を行うことが決定しました。
国内産業について…新規に五つ工場を増設することが決定しました。

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 後からわかったのですが、このような海軍への大規模な軍縮については裏取引があり、ロンドン海軍軍縮条約失効の後に超大型戦艦を含む新型艦の建造を陸軍に優先して行うという約束が
陸海軍間で賀屋さんの仲介の元で成立していたようです。なお、増設されることになった九五式戦闘機の帰属先については当時から議論になっていたのですが、四ヶ月後の7月22日に陸軍所有となりました。
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潮.png昭和11年の外交_潮恵之輔の回想  

 私のような立場の人間が外交について振り返るのは筋違いなのだろうが、だとしても当時の広田氏の外交は聊か一貫性に欠けていたように思う。
広田氏、もとい当時の外務省の外交というのは、日本の国際的地位向上及び中国との諸問題の解決のために英米関係を改善することが基本と考えられていたはずである。
一方で英米の潜在的な敵国であるドイツと防共協定を結び、両国の不興を買ったことは否定しがたい。当然ソ連との関係も悪化させており、
広田氏を首相に推薦した一木枢相の期待も裏切った形となったではないだろうか。
(ただし、当時米国は共和党のランドン氏が大統領選挙に勝利しており、米国が孤立主義に回帰する可能性があったことも踏まえると、現在の視点だけで判断してはいけないのだろう。)

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 対支問題についてはより一層深刻であった。広田三原則を下地に、蒋介石政権への防共協定への参加の呼びかけと第二次華北分離工作を行っていたのだが、
これは支那側から見れば何のうまみもないだけでなく、内政干渉ととらえられても仕方のないことであった。
しかもこれに刺激された張学良は12月、蒋介石を西安において監禁し国共合作を確約させてしまったのである。この時点で広田氏の外交は根本的に破綻してしまったのである。

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*1 ゲームスタート時の軍需大臣をデフォルトの町田忠治から高橋是清に設定を変更
*2 上記画像はhttp://blog.livedoor.jp/itadaku_eigo/archives/6699027.html及びhttp://1000ya.isis.ne.jp/0942.htmlよりお借りしています。
*3 賀屋興宣の政体をデフォルトのSDからPAに変更
*4 閑院宮様は参謀総長なので、脳内補完
*5 伏見宮様は軍令部総長なので、脳内補完
*6 駆逐艦はMODの影響で5つにまとめられていません。潜水艦、輸送艦も同じ。

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Last-modified: 2016-12-29 (木) 23:30:40 (56d)